線形代数 厳選良問 ~第十一回~

線形代数学 厳選良問

はじめに

第十回に続いて、今回も3問の厳選問題について学んでいこう!

今回は『シュミットの直交化法、直交行列、行列の三角化』に関する問題だ。いよいよ終盤戦になってきて、扱う問題も大分複雑になってきたが、ここまでたどり着いた力があるなら大丈夫だ!

ではさっそく見ていこう。



問題.31

\(\mathbb{R}\) 上のベクトル空間 \(\mathbb{R}^{3}\) において、三つのベクトル

$$\boldsymbol{a}_1=\begin{pmatrix}1\\1\\0\end{pmatrix}、\boldsymbol{a}_2=\begin{pmatrix}0\\1\\1\end{pmatrix}、\boldsymbol{a}_3=\begin{pmatrix}1\\0\\1\end{pmatrix}$$

から、シュミットの直交化法を用いて、\(\mathbb{R}^{3}\) の正規直交基底を求めよ。

問題.32

\(n\) 次実行列 \(A=(\boldsymbol{a}_1,\cdots,\boldsymbol{a}_n)\) (←列ベクトル表示)に対して、次の4条件(ⅰ)~(ⅳ)は同値であることを示せ。

(ⅰ) \(A\) は直交行列である。すなわち、\({}^{t}\!A\ A=A\ {}^{t}\!A=E\) を満たす\(n\) 次実行列。

(ⅱ) 任意の \(\boldsymbol{x}\ \in\ \mathbb{R}^{n}\) に対して、\(\|A\boldsymbol{x}\|=\|\boldsymbol{x}\|\) が成立する。

(ⅲ) 任意の \(\boldsymbol{x}、\boldsymbol{y}\ \in \mathbb{R}^{n}\) に対して、\((A\boldsymbol{x} , A\boldsymbol{y})=(\boldsymbol{x} , \boldsymbol{y})\) が成立する。

(ⅳ) \(\{\boldsymbol{a}_1, \cdots ,\boldsymbol{a}_n\}\) は正規直交基底(=o.b.)である。

問題.33

第9回、問題.27で行列

$$A=\begin{pmatrix}0&1&0\\-1&2&0\\0&-1&2\end{pmatrix}$$

は対角化できないことを見た。(復習はこちらから)

この行列を三角化せよ。

最後に

今回の問題で扱った内容は、かなり盛りだくさんになってしまった。とにかく計算量が多い問題なので、練習を多くこなすことが必要である。

スピードは気にせず、じっくりゆっくり計算し、一行一行理解しているか確認しながら進んでほしい。解答はこちらだ。


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