はじめに
第五回に続いて、今回も3問の厳選問題について学んでいこう!
今回は『線形写像と単射・全射・全単射』に関する問題だ。抽象的でなかなかとっつきにくいものもあるが、基本的なことさえ押さえてしまえば簡単である!では、早速やっていこう!
問題.16
\(A、B\) を \(\mathbb{C}\) – ベクトル空間とする。(\(\mathbb{C}\) は複素数)
(1) 線形写像 \(f : A \longrightarrow B\) が単射であるための必要十分条件は、\(Kerf=\{0_A\}\)であることを示せ。
(2) 集合 \(A、B、C\) 間の二つの写像 \(f : A \longrightarrow B\) 、\(f : B \longrightarrow C\) について、合成写像 \(g \circ f \) が全単射であれば、\(f\) は単射であり、\(g\) は全射となることを示せ。
問題.17
(1) \(A=\begin{pmatrix}1&0&-1\\1&1&0\\-1&1&-1\end{pmatrix}\) によって定まる線形写像 \(f : \mathbb{R^{3}} \longrightarrow \mathbb{R^{3}}\) は単射か全射か、
それとも全単射か述べよ。
(2) \(A=\begin{pmatrix}-3&3&2&4\\1&-1&0&-2\\0&1&1&1\end{pmatrix}\) によって定まる線形写像 \(f : \mathbb{R^{4}} \longrightarrow \mathbb{R^{3}}\) は単射か全射か、それとも全単射か述べよ。
問題.18
問題.17の(2)の行列によって定まる線形写像の『核の基底』と『像の基底』をそれぞれ一つ求めよ。
最後に
さて、いかがだっただろうか?
写像の性質(単射、全射、全単射)を問う問題は、関数の種類だけありその数は膨大だが、調べ方は、数パターンしかない。ぜひ、解答で確認してみてほしい。
コメント