先生、教えて❕ ~微分積分編~(第十四回)

微分積分編

総まとめ問題演習2

マサト先生
マサト先生

やあ、こんにちは。前回に続いて今回も微分についての総まとめ問題演習を実施する。

ヒロト
ヒロト

はい!よろしくお願いします!

マサト先生
マサト先生

今日の問題たちは前回の続きの(5)~(10)だ。これまで習ったすべてを用いてやってごらん。

ヒロト
ヒロト

はい!頑張ります!


 

問題

次の関数を微分せよ。

(5) \(f(x)=x^{3}\sqrt{1+x^{2}}\)

$$f(x)=x^{3}\sqrt{1+x^{2}}$$

(6) \(f(x)=\frac{\mathrm{e}^{2x}}{x+1}\)

$$f(x)=\frac{\mathrm{e}^{2x}}{x+1}$$

(7) \(f(x)=\sin (\cos x)\)

$$f(x)=\sin (\cos x)$$

(8) \(f(x)=x^{-2}2^{x}\)

$$f(x)=x^{-2}2^{x}$$

(9) \(f(x)=\frac{\log x}{\sqrt{x}}\)

$$f(x)=\frac{\log x}{\sqrt{x}}$$

(10) \(f(x)=x^{x}\ \ (x>0)\)

$$f(x)=x^{x}\ \ (x>0)$$


 


解答

(5) \(f(x)=x^{3}\sqrt{1+x^{2}}\) の微分

$$f(x)=x^{3}\sqrt{1+x^{2}}$$

ヒロト
ヒロト

これは、\(x^{3}\) と \(\sqrt{1+x^{2}}\) の積になっているので積の微分公式の出番ですね!

ヒロトノート

積の微分公式より、

$$f'(x)=\left\{x^{3}\sqrt{1+x^{2}}\right\}’=(x^{3})’\sqrt{1+x^{2}}+x^{3}(\sqrt{1+x^{2}})’\ \cdots\ ①$$

ここで、\((\sqrt{1+x^{2}})’\) について、\(u=1+x^{2}\) とおくと合成関数の微分公式より、

$$(\sqrt{1+x^{2}})’=(\sqrt{u})’ \cdot (1+x^{2})’=\frac{1}{2}u^{-\frac{1}{2}}\cdot 2x=\frac{x}{\sqrt{u}}=\frac{x}{\sqrt{1+x^{2}}}$$

となるので、

$$①=3x^{2}\sqrt{1+x^{2}}+x^{3}\cdot\frac{x}{\sqrt{1+x^{2}}}=\frac{3x^{2}(1+x^{2})+x^{4}}{\sqrt{1+x^{2}}}=\frac{4x^{4}+3x^{2}}{\sqrt{1+x^{2}}}$$

したがって、

$$\left\{x^{3}\sqrt{1+x^{2}}\right\}’=\frac{4x^{4}+3x^{2}}{\sqrt{1+x^{2}}}$$

マサト先生
マサト先生

うむ、完璧だ!

積の微分公式合成関数の微分公式のコラボ問題だったな!

ヒロト
ヒロト

1問目からけっこう大変でした!

この調子でいきたいと思います。


 


(6) \(f(x)=\frac{\mathrm{e}^{2x}}{x+1}\) の微分

$$f(x)=\frac{\mathrm{e}^{2x}}{x+1}$$

ヒロト
ヒロト

これは商の微分公式の一手ですね!

ヒロトノート

$$f'(x)=\left(\frac{\mathrm{e}^{2x}}{x+1}\right)’=\frac{(\mathrm{e}^{2x})'(x+1)-\mathrm{e}^{2x}(x+1)’}{(x+1)^{2}}\ \cdots\ ②$$

ここで、\((\mathrm{e}^{2x})’\) について、\(u=2x\) とおくと合成関数の微分公式より、

$$(\mathrm{e}^{2x})’=(\mathrm{e}^{u})’ \cdot (2x)’=2\mathrm{e}^{u}=2\mathrm{e}^{2x}$$

となるから、

$$②=\frac{2\mathrm{e}^{2x}(x+1)-\mathrm{e}^{2x}}{(x+1)^{2}}=\frac{\mathrm{e}^{2x}(2x+1)}{(x+1)^{2}}$$

したがって、

$$\left(\frac{\mathrm{e}^{2x}}{x+1}\right)’=\frac{\mathrm{e}^{2x}(2x+1)}{(x+1)^{2}}$$

マサト先生
マサト先生

うむ完璧だ!慣れてきたら、

$$(\mathrm{e}^{2x})’=(2x)’\cdot(\mathrm{e}^{u})’=2\mathrm{e}^{2x}$$

のように、\(u=2x\) とおかなくても計算できるようになろう!この調子で次にいこう!


(7) \(f(x)=\sin (\cos x)\) の微分

$$f(x)=\sin (\cos x)$$

ヒロト
ヒロト

これは三角関数の微分と、やはり合成関数の微分公式を使いますね!

ヒロトノート

\(u=\cos x\) とおくと、合成関数の微分公式より、

$$f'(x)=(\sin u)’\cdot (\cos x)’=\cos u \cdot (-\sin x)=-\sin x\cdot \cos (\cos x)$$

ヒロト
ヒロト

あれっ!終わっちゃった!

マサト先生
マサト先生

うむ、難しそうに見えて、公式を上手に使うと実はとても簡単だったな!


 


(8) \(f(x)=x^{-2}2^{x}\) の微分

$$f(x)=x^{-2}2^{x}$$

ヒロト
ヒロト

これも \(x^{-2}\) と \(2^{x}\) の積になっているから、積の微分公式ですね!

ヒロトノート

$$f'(x)=\left(x^{-2}2^{x}\right)’=(x^{-2})’\cdot 2^{x}+x^{-2}\cdot (2^{x})’$$

$$=-2x^{-3}\cdot 2^{x}+x^{-2}\cdot 2^{x}\log 2=\frac{-2\cdot2^{x}+x\cdot 2^{x}\log 2}{x^{3}}=\frac{2^{x}(x\log 2-2)}{x^{3}}$$

ヒロト
ヒロト

公式のおかげで一直線に計算できました!

マサト先生
マサト先生

だいぶ慣れてきた感があるな!さあ、どんどんいこう!

(9) \(f(x)=\frac{\log x}{\sqrt{x}}\) の微分

$$f(x)=\frac{\log x}{\sqrt{x}}$$

ヒロト
ヒロト

これは商の微分公式ですね!あと対数関数の微分もありますね!

ヒロトノート

$$f'(x)=\left(\frac{\log x}{\sqrt{x}}\right)’=\frac{(\log x)’\sqrt{x}-\log x \cdot (\sqrt{x})’}{x}$$

$$=\frac{\frac{1}{x}\cdot \sqrt{x}-\log x \cdot (\frac{1}{2}x^{-\frac{1}{2}})}{x}=\frac{\frac{1}{\sqrt{x}}-\log x \cdot (\frac{1}{2\sqrt{x}})}{x}$$

ヒロト
ヒロト

ここで分母分子に \(2\sqrt{x}\) をかけるときれいになりそうです!

分母分子に \(2\sqrt{x}\) をかけて、

$$\left(\frac{\log x}{\sqrt{x}}\right)’=\frac{2-\log x}{2x\sqrt{x}}$$

ヒロト
ヒロト

うーん、こんな感じかなー?

マサト先生
マサト先生

うむ、それでいいと思うぞ!分母は \(x^{\frac{3}{2}}\) と書いてもいいな。

では、ラスト1問いってみよう!


 


(10) \(f(x)=x^{x}\ \ (x>0)\) の微分

$$f(x)=x^{x}\ \ (x>0)$$

ヒロト
ヒロト

これは、なんだろう?

指数関数に見えるけど、指数関数 \(f(x)=a^{x}\) の底 \(a\) は定数でしたが、これは変数 \(x\) になっているので指数関数の定義を満たしませんよね?。ということは合成関数になっているのかな・・・? あれっ?だめだ、見えないや!

マサト先生
マサト先生

いやいや、指数関数でないことを見抜いて他の可能性を探した時点で素晴らしいぞ!そうなのだ、最後のこの関数は指数関数っぽく見えるけどヒロトが指摘した理由により指数関数とは言えないのだ。そして、何かの合成関数になっているわけでもないのだ。そういう意味でこれはかなり特別な関数だと理解してほしい。

ヒロト
ヒロト

はい、最初に見た時まず違和感を感じました。なんか様子が違うぞと。その直感は正しかったということですね!

マサト先生
マサト先生

うむ。さて、この関数を微分するには、まず両辺の自然対数を取って右肩に乗っている \(x\) を下ろしてやるんだ。それから、両辺を微分するといいだろう。

ヒロト
ヒロト

はい、続きは自分でやってみますね!

ヒロトノート

$$f(x)=x^{x}\ \ (x>0)$$

の両辺の自然対数を取って、

$$\log f(x)=x\log x$$

両辺を \(x\) で微分すると、左辺は \(u=f(x)\) とおくことにより合成関数の微分公式から

$$(\log f(x))’=(\log u)’\cdot (f(x))’=\frac{1}{u} \cdot f'(x)=\frac{f'(x)}{f(x)}$$

また、右辺は積の微分公式から、

$$(x\log x)’=x’\log x+x(\log x)’=\log x+x\cdot \frac{1}{x}=\log x+1$$

となるので、両辺を \(x\) で微分した結果は、

$$\frac{f'(x)}{f(x)}=\log x+1$$

\(f'(x)\) について解いて、

$$f'(x)=f(x)(\log x+1)=x^{x}(\log x+1)$$


ヒロト
ヒロト

出来ました!これで絶対正しいと思います!

マサト先生
マサト先生

ばっちりだ!この問題の解答のようにいきなり微分せずに、まず両辺の自然対数をとってから微分する計算法を『対数微分法』というのだ

ヒロト
ヒロト

対数微分法ですね!覚えておきます。

マサト先生
マサト先生

うむ。これで2回に渡ってやってきた総まとめ問題も無事に終わったわけだ。本当によくできていたと思うぞ。今後もしっかり練習を繰り返して腕が落ちないようにしてほしい。さて、次回からは微分することの意義について学んでいこうと思う。今回はここまでにしよう。お疲れさん。

ヒロト
ヒロト

はい!今日もありがとうございました!


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