\(\triangle PDQ\) において余弦定理より、
$$\cos \angle PDQ=\frac{PD^{2}+QD^{2}-PQ^{2}}{2PD\cdot QD}\ \cdots ①$$
が成り立つので、\(PD\ ,\ QD\ ,\ PQ\) を \(t\) を用いて表すことを考える。
ヒロト
うーん、一番簡単に求められるのは辺 \(PD\) かな?
\(\triangle ABD\) は正三角形であり、点 \(P\) は辺 \(AB\) の中点であるから、
$$PD=AD\cdot \sin \frac{\pi}{3}=\frac{\sqrt{3}}{2}$$
ヒロト
\(\triangle AQD\) において、余弦定理から
$$QD^{2}=AD^{2}+AQ^{2}-2AD\cdot AQ\cos \angle DAQ$$
$$=1^{2}+t^{2}-2\cdot 1\cdot t\cdot \cos \frac{\pi}{3}=t^{2}-t+1$$
\(QD>0\) より、\(QD=\sqrt{t^{2}-t+1}\)
ヒロト
よし、順調だぞ。最後に \(PQ\) を求めよう!
\(\triangle APQ\) において、余弦定理から
$$PQ^{2}=AP^{2}+AQ^{2}-2AQ\cdot AQ\cos \angle PAQ$$
$$=\left(\frac{1}{2}\right)^{2}+t^{2}-2\cdot \frac{1}{2}\cdot t\cdot \cos \frac{\pi}{3}=t^{2}-\frac{t}{2}+\frac{1}{4}$$
\(PQ>0\) より、\(PQ=\sqrt{t^{2}-\frac{t}{2}+\frac{1}{4}}\)
ヒロト
ふう、これで三辺を \(t\) を用いて表すことができたので\(\cos \angle PDQ\) を \(t\) を用いて表せるぞ!
したがって、①より
$$\cos \angle PDQ=\frac{PD^{2}+QD^{2}-PQ^{2}}{2PD\cdot QD}$$
$$=\frac{\frac{3}{4}+(t^{2}-t+1)-\left(t^{2}-\frac{t}{2}+\frac{1}{4}\right)}{\sqrt{3}\cdot \sqrt{t^{2}-t+1}}$$
$$=\frac{-\frac{t}{2}+\frac{3}{2}}{\sqrt{3}\cdot \sqrt{t^{2}-t+1}}$$
$$=\frac{1}{2\sqrt{3}}\cdot \frac{3-t}{\sqrt{t^{2}-t+1}}$$
すなわち、
$$\cos \angle PDQ=\frac{1}{2\sqrt{3}}\cdot \frac{3-t}{\sqrt{t^{2}-t+1}}$$
ヒロト
ふう、ようやく表せました!
あとはこの関数を微分して、\(f'(x)=0\) を解いて、増減表を書いて最大値を求めます。
ここで、定数倍を除いて
$$f(x)=\frac{3-t}{\sqrt{t^{2}-t+1}}\ (0 \le x \le 1)$$
とおく。\(x\) で微分すると、
$$f'(x)=\frac{(3-t)’\cdot \sqrt{t^{2}-t+1}-(3-t)\cdot (\sqrt{t^{2}-t+1})’}{t^{2}-t+1}$$
ここで、\((\sqrt{t^{2}-t+1})’\) において、\(u=t^{2}-t+1\) とおくと合成関数の微分法より
$$(\sqrt{t^{2}-t+1})’=(\sqrt{u})’\cdot (t^{2}-t+1)’=\frac{1}{2\sqrt{u}}\cdot (2t-1)=\frac{2t-1}{2\sqrt{t^{2}-t+1}}$$
となるので、これを代入して
$$f'(x)=\frac{(3-t)’\cdot \sqrt{t^{2}-t+1}-(3-t)\cdot \frac{2t-1}{2\sqrt{t^{2}-t+1}}}{t^{2}-t+1}$$
$$=\frac{-\sqrt{t^{2}-t+1}-(3-t)\cdot \frac{2t-1}{2\sqrt{t^{2}-t+1}}}{t^{2}-t+1}$$
ヒロト
ここで分母分子に \(2\sqrt{t^{2}-t+1}\) をかけて、分子の分数の分母を払います。
$$=\frac{-2(t^{2}-t+1)-(3-t)\cdot (2t-1)}{2(t^{2}-t+1)^{\frac{3}{2}}}$$
$$=\frac{-2t^{2}+2t-2+2t^{2}-7t+3}{2(t^{2}-t+1)^{\frac{3}{2}}}$$
$$=\frac{-5t+1}{2(t^{2}-t+1)^{\frac{3}{2}}}$$
すなわち、
$$f'(x)=\frac{-5t+1}{2(t^{2}-t+1)^{\frac{3}{2}}}$$
\(0 \le x \le 1\) の範囲において \(f'(x)=0\) を解くと、\((分母)>0\) より \(x=\frac{1}{5}\) を得る。
ヒロト
\(0 \le x \le 1\) に注意すると、
$$f'(x)=\frac{-5t+1}{2(t^{2}-t+1)^{\frac{3}{2}}}$$
の符号は分子の \(-5t+1\) の符号に一致するので、下のように増減表が書けます
したがって、\(t=\frac{1}{5}\) のとき、\(f(t)\) は最大値:
$$f\left(\frac{1}{5}\right)=\frac{3-\frac{1}{5}}{\sqrt{\frac{1}{25}-\frac{1}{5}+1}}=\frac{14}{\sqrt{21}}=\frac{2\sqrt{21}}{3}$$
をとる。
ヒロト
最後に\(\frac{1}{2\sqrt{3}}\)をかけて
ゆえに、\(\cos \angle PDQ\) の最大値は、
$$\frac{1}{2\sqrt{3}}\cdot \frac{2\sqrt{21}}{3}=\frac{\sqrt{7}}{3}$$
コメント