
やあ、こんにちは。今回は前回の \(f(x)=\sin x\) に続いて \(f(x)=\cos x\) と \(f(x)=\tan x\) の微分について学ぼう。

はい、よろしくお願いします!
\(f(x)=\cos x\) の微分

では、まず \(f(x)=\cos x\) の微分のついて、サインのときと同じようにやってみてくれ。

はい、加法定理が鍵でしたね。ではやってみます!
$$f'(x)=\lim_{h \to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}=\lim_{h \to 0}\frac{\cos (x+h)-\cos x}{h}$$
$$=\lim_{h \to 0}\frac{(\cos x\cosh-\sin x\sin h)-\cos x}{h}$$
$$=\lim_{h \to 0}\frac{\cos x(\cosh-1)-\sin x\sin h}{h}$$
$$=\lim_{h \to 0}\frac{\cos x(\cosh-1)}{h}-\lim_{h \to 0}\frac{\sin x\sin h}{h}$$
$$x だけの関数は \lim_{h \to 0} の影響を受けないので \lim_{h \to 0} の外に出して、$$
$$=\cos x\cdot\lim_{h \to 0}\frac{\cosh-1}{h}-\sin x\cdot\lim_{h \to 0}\frac{\sin h}{h}$$
ここで、
$$\lim_{h \to 0}\frac{\cos h-1}{h}=0\ \ ,\ \ \lim_{h \to 0}\frac{\sin h}{h}=1$$
であることは前回示したので、結局、
$$(上式)=\cos x \cdot 0-\sin x \cdot 1=-\sin x$$
$$したがって、(\cos x)’=-\sin x \ となる。$$

今回は詰まらずににできました!

まあ、前回のサインの場合と大体同じだからな。でもすばらしいぞ!
全く文句なしだ。ではこの調子で次は \(f(x)=\tan x\) についてやてみくれ!

はい!調子出てきました!

\(f(x)=\tan x\) の微分
$$f'(x)=\lim_{h \to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}=\lim_{h \to 0}\frac{\tan (x+h)-\tan x}{h}$$
ここで、タンジェントの加法定理より、
$$\tan (x+h)=\frac{\tan x+\tan h}{1-\tan x\tan h} \ であるからこれを代入して、$$
$$(上式)=\lim_{h \to 0}\frac{\frac{\tan x+\tan h}{1-\tan x\tan h}-\tan x}{h}$$
$$=\lim_{h \to 0}\frac{\tan x+\tan h-\tan x(1-\tan x\tan h)}{h(1-\tan x\tan h)}$$
$$=\lim_{h \to 0}\frac{\tan h+\tan ^{2}x\tan h}{h(1-\tan x\tan h)}$$

うーん、なんかとんでもないことになってきた気がするぞ

ふふふ、そのようだな。ヒロトよ、せっかくの武器があるのに使わないなんてもったいないぞ!頑張って証明した公式があるじゃないか!いいかい?
$$\tan x=\frac{\sin x}{\cos x}$$
が成り立つよな?ということは?

ということは・・・そうか!商の微分公式ですね!

気づいたようだな!使えるものはドンドン使って有効活用していかなくてはな!

はい!もう一度やってみます!
商の微分公式
$$商の微分公式:\left(\frac{f(x)}{g(x)}\right)’=\frac{f'(x)g(x)-f(x)g'(x)}{g^{2}(x)} より、$$
$$f'(x)=(\tan x)’=\left(\frac{\sin x}{\cos x}\right)’=\frac{(\sin x)’\cos x-\sin x(\cos x)’}{\cos ^{2}x}$$
$$ここで、(\sin x)’=\cos x\ \ ,\ \ (\cos x)’=-\sin x \ であったから、$$
$$(上式)=\frac{\cos x\cdot\cos x-\sin x(-\sin x)}{\cos ^{2}x}=\frac{\cos ^{2}x+\sin ^{2}x}{\cos ^{2}x}$$
\(\sin ^{2}x+\cos ^{2}x=1\) であるから、上式の分子は \(1\) となる。よって、
$$(\tan x)’=\frac{1}{\cos ^{2}x}$$

今度はうまくいきました!公式って便利ですね!

そうだろう?使ってみて初めて分かる良さがあるのだ。
そして学ぶ順番は、サイン→コサイン→タンジェントというのがベストだと分かるだろう?
これで、三つの代表的な三角関数について完了したな。まとめると次のようになるぞ。
$$(\sin x)’=\cos x\ \ ,\ \ (\cos x)’=-\sin x\ \ ,\ \ (\tan x)’=\frac{1}{\cos ^{2}x}$$


一歩一歩進んでる感じがします!
先生、ふと思ったのですが微分ができるようになったとして何かいいことはあるのですか?

微分して得た導関数をどう使うのかはもう少し先の話となる。今は与えられた関数を微分できるようになることが目的だということを心に留めておいてくれ。ただ、超ざっくり言うと、微分することにより関数の最大値や最小値を求める問題が『方程式を解く問題』帰着できるようになるのだ。これがなにより強力な武器となるのだ!

なるほど!全く解らんです。
でもワクワクしてきたことは事実です。

うむ、では今日はここまでにしようか。今回はなかなかスムーズだったぞ!
次回は、指数関数の微分についてやろうと思う。
今日もお疲れさん。

はい、ありがとうございました!
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