先生、教えて❕ ~微分積分編~ (第九回)

微分積分編
マサト先生
マサト先生

やあ、こんにちは。今回は前回の \(f(x)=\sin x\) に続いて \(f(x)=\cos x\) と \(f(x)=\tan x\) の微分について学ぼう。

ヒロト
ヒロト

はい、よろしくお願いします!


\(f(x)=\cos x\) の微分

マサト先生
マサト先生

では、まず \(f(x)=\cos x\) の微分のついて、サインのときと同じようにやってみてくれ。

ヒロト
ヒロト

はい、加法定理が鍵でしたね。ではやってみます!

ヒロトノート

$$f'(x)=\lim_{h \to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}=\lim_{h \to 0}\frac{\cos (x+h)-\cos x}{h}$$

$$=\lim_{h \to 0}\frac{(\cos x\cosh-\sin x\sin h)-\cos x}{h}$$

$$=\lim_{h \to 0}\frac{\cos x(\cosh-1)-\sin x\sin h}{h}$$

$$=\lim_{h \to 0}\frac{\cos x(\cosh-1)}{h}-\lim_{h \to 0}\frac{\sin x\sin h}{h}$$

$$x だけの関数は \lim_{h \to 0} の影響を受けないので \lim_{h \to 0} の外に出して、$$

$$=\cos x\cdot\lim_{h \to 0}\frac{\cosh-1}{h}-\sin x\cdot\lim_{h \to 0}\frac{\sin h}{h}$$

ここで、

$$\lim_{h \to 0}\frac{\cos h-1}{h}=0\ \ ,\ \ \lim_{h \to 0}\frac{\sin h}{h}=1$$

であることは前回示したので、結局、

$$(上式)=\cos x \cdot 0-\sin x \cdot 1=-\sin x$$

$$したがって、(\cos x)’=-\sin x \ となる。$$

ヒロト
ヒロト

今回は詰まらずににできました!

マサト先生
マサト先生

まあ、前回のサインの場合と大体同じだからな。でもすばらしいぞ!

全く文句なしだ。ではこの調子で次は \(f(x)=\tan x\) についてやてみくれ!

ヒロト
ヒロト

はい!調子出てきました!


\(f(x)=\tan x\) の微分

ヒロトノート

$$f'(x)=\lim_{h \to 0}\frac{f(x+h)-f(x)}{h}=\lim_{h \to 0}\frac{\tan (x+h)-\tan x}{h}$$

ここで、タンジェントの加法定理より、

$$\tan (x+h)=\frac{\tan x+\tan h}{1-\tan x\tan h} \ であるからこれを代入して、$$

$$(上式)=\lim_{h \to 0}\frac{\frac{\tan x+\tan h}{1-\tan x\tan h}-\tan x}{h}$$

$$=\lim_{h \to 0}\frac{\tan x+\tan h-\tan x(1-\tan x\tan h)}{h(1-\tan x\tan h)}$$

$$=\lim_{h \to 0}\frac{\tan h+\tan ^{2}x\tan h}{h(1-\tan x\tan h)}$$

ヒロト
ヒロト

うーん、なんかとんでもないことになってきた気がするぞ

マサト先生
マサト先生

ふふふ、そのようだな。ヒロトよ、せっかくの武器があるのに使わないなんてもったいないぞ!頑張って証明した公式があるじゃないか!いいかい?

$$\tan x=\frac{\sin x}{\cos x}$$

が成り立つよな?ということは?

ヒロト
ヒロト

ということは・・・そうか!商の微分公式ですね!

マサト先生
マサト先生

気づいたようだな!使えるものはドンドン使って有効活用していかなくてはな!

ヒロト
ヒロト

はい!もう一度やってみます!

商の微分公式

ヒロトノート

$$商の微分公式:\left(\frac{f(x)}{g(x)}\right)’=\frac{f'(x)g(x)-f(x)g'(x)}{g^{2}(x)} より、$$

$$f'(x)=(\tan x)’=\left(\frac{\sin x}{\cos x}\right)’=\frac{(\sin x)’\cos x-\sin x(\cos x)’}{\cos ^{2}x}$$

$$ここで、(\sin x)’=\cos x\ \ ,\ \ (\cos x)’=-\sin x \ であったから、$$

$$(上式)=\frac{\cos x\cdot\cos x-\sin x(-\sin x)}{\cos ^{2}x}=\frac{\cos ^{2}x+\sin ^{2}x}{\cos ^{2}x}$$

\(\sin ^{2}x+\cos ^{2}x=1\) であるから、上式の分子は \(1\) となる。よって、

$$(\tan x)’=\frac{1}{\cos ^{2}x}$$

ヒロト
ヒロト

今度はうまくいきました!公式って便利ですね!

マサト先生
マサト先生

そうだろう?使ってみて初めて分かる良さがあるのだ。

そして学ぶ順番は、サイン→コサイン→タンジェントというのがベストだと分かるだろう?

これで、三つの代表的な三角関数について完了したな。まとめると次のようになるぞ。

三角関数の微分公式

$$(\sin x)’=\cos x\ \ ,\ \ (\cos x)’=-\sin x\ \ ,\ \ (\tan x)’=\frac{1}{\cos ^{2}x}$$

ヒロト
ヒロト

一歩一歩進んでる感じがします!

先生、ふと思ったのですが微分ができるようになったとして何かいいことはあるのですか?

マサト先生
マサト先生

微分して得た導関数をどう使うのかはもう少し先の話となる。今は与えられた関数を微分できるようになることが目的だということを心に留めておいてくれ。ただ、超ざっくり言うと、微分することにより関数の最大値や最小値を求める問題が『方程式を解く問題』帰着できるようになるのだ。これがなにより強力な武器となるのだ!

ヒロト
ヒロト

なるほど!全く解らんです。

でもワクワクしてきたことは事実です。

マサト先生
マサト先生

うむ、では今日はここまでにしようか。今回はなかなかスムーズだったぞ!

次回は、指数関数の微分についてやろうと思う。

今日もお疲れさん。

ヒロト
ヒロト

はい、ありがとうございました!


コメント

タイトルとURLをコピーしました